Wetten Dass..? 1999

3月20日夜(日本時間同21日早朝)、マイケルはドイツのテレビ番組「Wetten Dass..?(ヴェッテン・ダス=賭けてみる?の意)」に緊急出演、最新プロジェクト「マイケル・ジャクソン&フレンズ」の告知を行なった。わずか9分間の出演だったにも関わらず視聴率は49.8%を記録、1,587万世帯が番組を見た事になる。

司会のトーマス・ゴットシャルクがマイケルを「キング・オブ・ミュージックでありキング・オブ・ポップ…」と言うが早いか、スタジオに集まったファンたちは「マイケル!マイケル!」と叫び始めた。「We Are The World」のレコーディング風景のビデオが流され、トーマスは「キング・オブ・ポップ、マイケル・ジャクソン!」と紹介した。

マイケルはゆっくりと歩きながらスタジオに登場、ファンたちの興奮は頂点に。黒いパンツに黒いジャケット、白いTシャツ。ジャケットの左胸には王冠をかたどったブローチ、右腕にはトレードマークの赤い腕章。靴はいつものローファーではなく、光り輝くブーツ。髪を肩の下まで伸ばし、サングラスをかけていた。右耳には英語の同時通訳用イヤフォン。ソファに腰掛ける前にマイケルはファンに向かって手を振り、投げキッスをしてみせた。マイケルはトーマスと挨拶。トーマスに向かって「背の高い人だね」といったジェスチャーをしてみせるマイケル。

TGマイケル、会えて嬉しいし、光栄だよ。来てくれてありがとう。最新のプロジェクトについて話そうか。

マイケルが話を出来る状態にするためにトーマスは観客を静かにさせなければならないのだが、なかなかそうもいかなかった。マイケルは客席に微笑みかけ、頭を振ってみせたりもした。

TG(ファンに向かって)だから…分かったよ、もう!

MJ止まらないねぇ、彼ら…。

TGまったく…マイケル、彼らは全然僕の言う事を聞いてくれないよ。(ファンに向かって)今日、彼は…僕らに話をしに来たんだ。ほら、そこの君たちにもだぞ。ほらほら…マイケルが可哀想だぞ、少し話を聞いてあげるだけでいいんだ。彼はもう、君たちの事を見てるんだから。みんなが彼を愛してるのは分かったよ。少しはトーマスおじさんの身にもなってくれ。僕は彼にいくつか聞かなきゃならない事があるんだ。…シーッ、静かに!ちょっとだけだ!…ほらほら!また怒られなきゃ分からんか?

投げキッスをするマイケル。すると彼は、あるファンが掲げた横断幕に向かって「あの横断幕が欲しいな。ねぇ、あれが欲しい」と指さし、セキュリティーのウェイン・ネイギンに取って来させた。またもや叫ぶファンたち。その横断幕には「子供たちのパラダイスはあなたの心の中に」とあった。

トーマスは、ふたつのコンサートの構想がどのようにして生まれたのかをマイケルに尋ねた。

MJえー、どのような事かと言うと…。

マイケルが語り始めたと同時にファンたちが絶叫。トーマスはまたも彼らを黙らせなければならなかった。

TGさぁ、話してもらおうかな。

MJあぁ…僕が、何かをしなければならないって事は分かってたんだ。(西暦2000年から始まる)新しい千年紀が到来するまでに、何もせずにはいられなかったんだよ。それで、「What More Can I Give」という曲の構想が浮かび、何かをしなければと考えた。同時に僕はマンデラ大統領と会見する機会があって、大統領は僕のコンサートを招致してくれたんだけど、それこそ僕が求めていた考えだった。

微笑むマイケル。ますます騒ぐファンたち。

トーマスが、2回のコンサートが予定されている事を伝えた。ひとつはミュンヘンで、もうひとつは韓国だ。さらに彼は、ルチアーノ・パヴァロッティ、スティーヴィー・ワンダー、エロス・ラマゾッティ、そして恐らくスコーピオンズらも参加するであろう事を告げた。何故、ミュンヘンと韓国なのだろうか?

MJこの質問についてはモリッシュ氏の方が僕より詳しい答えをくれるだろう。彼はソニーの代表として来てくれた。それからマルセル・エイヴラム(コンサート・プロモーター)も。

ソニー・イギリスの社長、ジョナサン・モリッシュがソファに座った。

JM今夜の話は非常に重要です。これはマイケルの一大事業なのです。彼は常に全力でやっています。私が思うに、彼がドイツと韓国でショーを行うという事には、ひとつの大切なメッセージが込められているんです。我々が忘れてはならないのは、多くの悲劇と被害をもたらした第二次世界大戦の後、沢山の国々が引き裂かれてしまったという事です。ドイツは10年前に統一されました。それこそが、マイケルがこの国でショーをやりたいと思う理由なのです。同様に、ソウルでショーを行う理由は、それがとても重要な事だからです。マイケルは南北朝鮮に向けて、統一のメッセージを送る事を望んでいます。先程トーマスが伝えてくれたように、これらふたつのショーがマイケルと友人たちによって行われる事は非常に大きな意味を持っているのです。

TG素晴らしい!ありがとう。(マイケルに向き直って)マイケルはあまり話せなかったけど…どうもありがとう。

マイケルは立ち上がり、トーマスと握手。

TG素晴らしいひとときだったよ、どうもありがとうマイケル。6月27日にミュンヘンでまた会おう。マイケル、この番組を覚えているかな?君がここで歌ってくれた時の事を…。

マイケルが以前、番組に出演した際に歌った「Earth Song」の映像が流れる。画面の隅に、それを見ているマイケルの表情が映る。するとマイケルは曲に合わせてリズムを取り始めた。

マイケルは、ファンが集まっているセット脇に歩み寄った。彼らは叫び、沢山の横断幕を掲げ、ヒマワリの花を差し出している。横断幕の中には世界中の子供たちに対するマイケルの業績への、尊敬や愛を込めた物もあった。トーマスやエイヴラム、ウェイン、宿泊コーディネーターのテディ・レイキスらも一緒だ。観客に近付き、マイケルはまた横断幕を指さした。

MJウェイン、ウェイン。あれ取って来てよ。取って来て…ほら、あれだよ、あれ。

マイケルは観客に向かって投げキッスをし、手を振り続けた。ファンとの交流が楽しくて仕方ないといった様子だった。

レイキスが、取って来た数々の横断幕をマイケルに手渡す。彼は、トーマスとエイヴラムに一番のお気に入りを見せた。

MJ僕はこれが気に入った。とても可愛いよ。

それは、大地のような色の上に子供たちの絵と世界が描かれた物だった。そこには「マイケルとマルセル、子供たちのためにありがとう」とあった。

MJありがとうトーマス。

再び握手をした後、横断幕を抱えたマイケルはスタジオから退出。

TG(疲れ切った表情で)ふぅ…僕は伝説の存在にはなりたくないな!


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